| 診察日 | 2003年冬〜初夏掛けて |
| 診察概要 | みのに出来た腫瘍と体の傾斜について |
| 写真・動画 | 診察内容 |
|---|---|
![]() |
みのにできた手の腫瘍についてと、体が傾いてしまった事について書こうと思います。写真でご覧になって分かるとおり、みのの手には小指先大の大きさの腫瘍が出来ていました。これが直接の原因かどうか分かりませんが、腫瘍が出来たと同時期に、体が右に傾いてしまう病気も併発してしまい、みのの後半の一生は闘病生活に明け暮れたのでした。体の傾きは、最初耳の中に出来た小さなしこりのようなものから始まり、その耳のしこりが無くなったと同時に始まりました。その事から考えると、耳に出来たできものが関係していそうです。もしかしたら脳にも影響が出て居たのかもしれません。それでも本人は気にする事も無く、至って元気に生活していましたので気長に治療して行く事としました。 |
![]() |
見て分かるとおり普通にしている状態でこのように自然に右側にかたむいてしまいます。白ハムにこの傾きの病気が多いとの事ですが、普通は左に傾くのが多いそうで、それらの遺伝的な物と言うよりは、腫瘍などの原因により、神経系統が圧迫されたりした事によるものが起因と考えられます。治療方法としては、神経活性剤や抗生剤、消炎剤を使いますが、治る可能性が低いそうで、運が良ければ治るとの事。しかしこの傾きも生活しているうちに段々慣れてくるそうで、事実最初は回し車もやりにくそうだったのが、次第に上手くまわせるようになりました。動物の本能と言うか順応能力って凄いなと思ったものです。それにこのちょこっと傾いた感じの様子が可愛かったりします。ハム馬鹿な飼い主の意見とお聞き流しください。 |
![]() |
次第にでかくなる手の腫瘍が気になりだしたのか自分で腫瘍をかじったりするようになりました。当初は全く気にする様子も無く、全く無傷でしたが、微量に出血したりするようになり、その対策を施さなくてはいけなくなります。写真に写っている滑り台の木のおもちゃの上部にあいた丸い穴の周りを良くカジカジと噛むようになりました。もしかしたら体の傾きや手の腫瘍がストレスになってイライラしていたのかもしれません。その為に上部の穴の周りがギザギザになっていて、しかもそこでくるくると体を回すことが多くなってきたのです。その時ちょうど手の腫瘍が穴のふちギザギザ部分に当たり、それが出血を引き起こしている事が判明。もしかしたら自分で腫瘍をこすり落とそうとしていたのかと思うような行動でした。人間にとっては微量の出血もハムに取ってはかなりの出血になります。その為ケージの中の工夫をしなくては大変な事になります。ですから可愛そうですが、回し車やこの滑り台などは外してしまうことになりました。みのはとても残念そうで、可愛そうな事をしたような気になります。しかしこれも本ハムの為ですからと、心を鬼にして外しました。 |
![]() |
では何故にこの腫瘍取らなかったのかと言いますと、実は腫瘍が出来はじめたのが二歳に近かったからと言うのが有ります。やはり高齢での手術は危険が有りますから、飼い主としては心配です。それに先生も特に今すぐ切らなくても平気との事ですから、それを信じようと思ったからです。もうひとつ、骨に癒着していたのです。その為、手術するとなると断脚は逃れられないとの事でしたから、体の傾きにプラスして断脚だとかえってストレス的に心配だと言う理由も有ったのです。腫瘍初期の頃から骨にくっついていたので、明らかに断脚しなければいけなかったのです。腫瘍と言うのは、ご存知の方も多いとは思いますが、その腫瘍部分だけ取り除けは良いと言うものではないのです。腫瘍の周りの血管や皮膚、膜類、リンパ腺や臓器など、転移が考えられるファクターも取り除かなければいけないのです。その為断脚となってしまうのです。あえてそれを承知で瘤部分をレーザーで取ってしまうことも出来ますが、後々同じ手術を繰り返すぐらいならこのまま寿命をまっとうさせた方がいいと獣医師と私たちで判断し、投薬のみで行く事にしたのです。 |
![]() |
この写真は、みのが星になってしまう直前のものです。もうこの時には呼吸も苦しそうで、酸素を充満させた小さなプラケースで過ごさせていました。酸素室のようなものです。この直前にじつはかなりの出血をしまして、近所の病院で緊急に止血しました。気が付くのが遅かったら大変な事になってしまうぐらいの出血でしたから、みのも大分苦しかったと思います。黄色い止血剤を貰い、こまめに止血する為、夜も交代で見張る日々が暫く続いたのです。 |
![]() |
みのの顔の表情から大分苦しいのが分かってもらえると思います。目の開き方が明らかにおかしいですから。それでも必死に生きようとします。本当に凄いです。苦しいと思うのに餌も一生懸命食べようとします。スタミノンも差し出せば一生懸命舐めようとします。でも本当に駄目になってくるとそれさえも出来なくなります。呼吸も何度か止まりかけますが、その度にまだ生きたいと言うかのごとく、懸命に気をとり戻そうとします。見ていて辛くなりますが、これも飼い主の責任として最後まで見守らなければいけないと自分に言い聞かせ、目をそらさずに看病を続けます。そして最後の瞬間、大きく息をしおしっこをちょっとだけ漏らし、旅立ちました。それもちゃんと飼い主の手の中で。なんていい子達ばかりなんでしょうかね、ハムスターって。きっと人間の気持ちも分かっているのでは?と錯覚してしまうほどいい子たちばかりです。そしてみのはホントに先生からも褒められるほど可愛いハムでした。黒目がパッチリしていて真っ白い毛並。そして二年四ヶ月と言う長生き。後半のハム生は闘病に明け暮れ、大変なストレスだったと思います。それでも飼い主に対してまるで「ありがとう」とでも言っているように、手のひらの上に乗りたがり、そして旅立って行くのです。これが有るから旅立ちが悲しくても、ハムスターを飼うことを止められないのかもしれません。みのちゅには本当に色々心和ませて頂きました。感謝の気持ちで一杯です。唯一心残りは、この可愛らしいハムの子供が授からなかった事だけです。繁殖成功したかったですね。 でもそれ以上の物を彼女に頂いたので、私は満足です。本当にみのに会えて良かったです。 ありがとう。 そしてさようなら。 いつかまた我が家に戻ってきてね。 |